イタリア文法の記事一覧

  • 13.5.2 受動の si

    イタリア語では si を使って、受け身の意味を表すことができます。これを 受動の si(si passivante) と呼びます。英語の受動態 is sold, are spoken などに近い表現です。

    基本の形は次の通りです。

    si + 動詞(三人称)

    このとき、動詞は 文の主語の数に一致 します。

    例を見てみましょう。

    In questo negozio si vendono libri.
    この店では本が売られている。

    Qui si parlano molte lingue.
    ここでは多くの言語が話されている。

    このように librimolte lingue が文の主語となり、動詞が複数形になります。

    単数の場合は次のようになります。

    Qui si parla italiano.
    ここではイタリア語が話されている。

    この場合、italiano が単数なので parla になります。

    この表現は、通常の受動態(essere + 過去分詞)よりも、一般的で自然な表現としてよく使われます。

    例えば

    I libri sono venduti qui.
    本はここで売られている。

    より自然な言い方は

    Qui si vendono libri.
    ここでは本が売られている。

    このように 受動の si は、誰が行うかを示さずに、一般的な行為を表すときによく使われます。特に広告、案内、説明などの文でよく見られる表現です。


  • 第14章 法と時制

    14.1 法とは何か

    動詞の 法(modo) とは、話し手がその内容を どのような態度で述べているか を示す文法的な形式です。つまり、話し手がそれを 事実として述べているのか、命令なのか、可能性や願望なのか を表す働きを持っています。

    イタリア語では主に次のような法があります。

    直説法(indicativo)
    事実や現実の出来事を述べるときに使われます。

    Marco vive a Roma.
    マルコはローマに住んでいる。

    接続法(congiuntivo)
    願望、疑い、感情、不確実な内容などを表すときに使われます。

    Penso che lui venga.
    彼が来ると思う。

    条件法(condizionale)
    「〜だろう」「〜するだろう」「〜してほしい」など、仮定や丁寧な表現を表します。

    Vorrei un caffè.
    コーヒーをください。

    命令法(imperativo)
    命令や依頼を表します。

    Vieni qui.
    ここに来なさい。

    このように、動詞の法は 話し手の判断や態度 を表すための重要な文法要素です。

    一方、時制(tempo) は動作が いつ行われるか を示します。例えば現在、過去、未来などがあります。

    Parlo italiano.
    私はイタリア語を話す。(現在)

    Parlavo italiano.
    私はイタリア語を話していた。(過去)

    Parlerò italiano.
    私はイタリア語を話すだろう。(未来)

    このように、イタリア語の動詞は 時制 によってさまざまな形を取り、文の意味をより正確に表すことができます。


    14.2 時制とは何か

    動詞の 時制(tempo) とは、動作や状態が いつ起こるか を示す文法的な形式です。つまり、出来事が 現在・過去・未来 のどの時間に属するのかを表します。

    例えば次の文を見てみましょう。

    Parlo italiano.
    私はイタリア語を話す。

    この文では parlo が現在形であり、現在の状態を表しています。

    次に過去を表す例を見てみましょう。

    Ho parlato italiano.
    私はイタリア語を話した。

    ここでは 過去の出来事 を表しています。

    さらに未来の例です。

    Parlerò italiano.
    私はイタリア語を話すだろう。

    この文では 未来の出来事 を表しています。

    このように、時制は動作が行われる時間を示す役割を持っています。

    イタリア語にはいくつかの時制がありますが、主なものは次の通りです。

    現在(presente)
    現在の行動や状態を表します。

    近過去(passato prossimo)
    最近起こった出来事を表します。

    半過去(imperfetto)
    過去の継続的な状態や習慣を表します。

    未来(futuro)
    未来の出来事を表します。

    また、これらの時制は 法(modo) と結びついて使われます。例えば、直説法現在、接続法現在、条件法現在などのように、法と時制が組み合わさって動詞の形が決まります。

    このように、時制は 出来事がどの時間に属するか を示す重要な文法要素であり、文の意味を正確に伝えるために欠かせない役割を持っています。


  • 第15章 直説法

    15.1 現在

    直説法現在(presente dell’indicativo) は、現在の動作や状態を表す時制です。イタリア語で最も基本的な時制であり、日常会話でも頻繁に使われます。

    直説法現在は、主に次のような意味で使われます。

    まず、現在の状態や動作 を表します。

    Studio italiano.
    私はイタリア語を勉強している。

    Marco vive a Roma.
    マルコはローマに住んでいる。

    次に、習慣的な行動 を表すときにも使われます。

    Mi alzo alle sette.
    私は7時に起きる。

    Bevo caffè ogni mattina.
    私は毎朝コーヒーを飲む。

    さらに、一般的な事実や真理 を述べるときにも使われます。

    La Terra gira intorno al Sole.
    地球は太陽の周りを回る。

    また、イタリア語では 近い未来 を表すときにも現在形が使われることがあります。

    Domani parto per Roma.
    明日ローマへ出発する。

    このように、直説法現在は単に現在の出来事を表すだけでなく、習慣、一般的事実、さらには近い未来を表す場合にも用いられます。イタリア語の文法の中で最も基本的で重要な時制です。


  • 15.2 近過去

    近過去(passato prossimo) は、過去に起こった出来事や完了した行為を表す時制です。日常会話で最もよく使われる過去形の一つです。英語の have + 過去分詞 に近い意味を持ちます。

    近過去は次の形で作られます。

    助動詞(avere または essere) + 過去分詞

    例を見てみましょう。

    Ho mangiato.
    私は食べた。

    Abbiamo studiato.
    私たちは勉強した。

    ここでは avere が助動詞として使われています。

    一方、移動や状態の変化を表す動詞では essere が助動詞として使われることがあります。

    Sono arrivato.
    私は到着した。

    Siamo partiti.
    私たちは出発した。

    essere を助動詞として使う場合には、過去分詞が主語の性と数に一致 します。

    Maria è arrivata.
    マリアは到着した。

    I ragazzi sono arrivati.
    少年たちは到着した。

    過去分詞の基本的な作り方は次の通りです。

    -are 動詞
    -ato

    parlare → parlato

    -ere 動詞
    -uto

    credere → creduto

    -ire 動詞
    -ito

    finire → finito

    Ho parlato con Marco.
    私はマルコと話した。

    Abbiamo creduto alla storia.
    私たちはその話を信じた。

    Hai finito il lavoro?
    仕事を終えましたか。

    このように 近過去 は、過去に起こった出来事や完了した行為を表すときに使われる重要な時制です。日常会話では特に頻繁に使われます。


  • 15.3 半過去

    半過去(imperfetto) は、過去の 継続していた状態、習慣、背景 などを表す時制です。過去に「続いていたこと」や「よくしていたこと」を述べるときに使われます。

    例えば次の文を見てみましょう。

    Quando ero bambino, vivevo a Roma.
    子どものころ、私はローマに住んでいた。

    ここでは ero(〜だった)vivevo(住んでいた) が半過去であり、過去の状態や継続を表しています。

    半過去は、主に次のような場合に使われます。

    まず、過去の継続した状態 を表します。

    La città era tranquilla.
    その町は静かだった。

    次に、過去の習慣 を表すときに使われます。

    Da giovane studiavo molto.
    若いころ私はよく勉強していた。

    また、物語の背景や状況の説明 にも使われます。

    Era sera e pioveva.
    夕方で雨が降っていた。

    半過去の作り方は比較的規則的です。動詞の 語幹 + 半過去の語尾 で作られます。

    -are 動詞

    parlare(話す)

    parlavo
    parlavi
    parlava
    parlavamo
    parlavate
    parlavano

    -ere 動詞

    credere(信じる)

    credevo
    credevi
    credeva
    credevamo
    credevate
    credevano

    -ire 動詞

    dormire(眠る)

    dormivo
    dormivi
    dormiva
    dormivamo
    dormivate
    dormivano

    このように 半過去 は、過去の継続した状況や習慣、物語の背景などを説明するときに使われる重要な時制です。


  • 15.4 大過去

    大過去(trapassato prossimo) は、「過去のある時点よりもさらに前に起こった出来事」を表す時制です。英語の past perfect(had + 過去分詞) に相当します。

    この時制は次の形で作られます。

    半過去の助動詞(avere / essere) + 過去分詞

    例を見てみましょう。

    Avevo già mangiato.
    私はすでに食べていた。

    Siamo arrivati quando lui era già partito.
    私たちが到着したとき、彼はすでに出発していた。

    このように、大過去は 二つの過去の出来事を区別する ときに使われます。

    まず起こった出来事が 大過去、その後に起こった出来事が 近過去や半過去 などで表されます。

    もう一つ例を見てみましょう。

    Quando sono arrivato, Marco aveva finito il lavoro.
    私が到着したとき、マルコはすでに仕事を終えていた。

    ここでは

    aveva finito(終えていた) → 先に起こった
    sono arrivato(到着した) → 後に起こった

    という時間関係があります。

    essere を助動詞として使う場合には、過去分詞は主語の性と数に一致します。

    Maria era arrivata presto.
    マリアは早く到着していた。

    I ragazzi erano partiti.
    少年たちは出発していた。

    このように 大過去 は、過去の出来事の中でさらに前に起こった出来事を表す時制であり、出来事の時間関係を明確にするために使われます。


  • 15.5 未来

    未来(futuro semplice) は、これから起こる出来事や将来の状態を表す時制です。英語の willshall に相当します。

    例えば次の文を見てみましょう。

    Partirò domani.
    私は明日出発する。

    Marco arriverà alle cinque.
    マルコは5時に到着する。

    このように未来形は、将来の出来事を述べるときに使われます。


    未来形の作り方

    未来形は、動詞の 不定詞 をもとにして語尾を付けて作ります。

    -are 動詞 は語尾 -are-er- に変えてから未来の語尾を付けます。


    parlare(話す)

    parlerò
    parlerai
    parlerà
    parleremo
    parlerete
    parleranno


    -ere 動詞


    credere(信じる)

    crederò
    crederai
    crederà
    crederemo
    crederete
    crederanno


    -ire 動詞


    partire(出発する)

    partirò
    partirai
    partirà
    partiremo
    partirete
    partiranno


    未来形の別の用法

    未来形は、単に未来の出来事だけでなく、推量 を表すこともあります。

    Saranno le tre.
    3時だろう。

    Marco sarà a casa.
    マルコは家にいるだろう。

    このように 未来形 は、将来の出来事を表すだけでなく、現在についての推量を表すときにも使われます。イタリア語の重要な時制の一つです。


  • 15.6 未来完了

    未来完了(futuro anteriore) は、未来のある時点よりも前に完了している出来事を表す時制です。英語の will have + 過去分詞 に相当します。

    この時制は次の形で作られます。

    未来形の助動詞(avere / essere) + 過去分詞

    例を見てみましょう。

    Avrò finito il lavoro.
    私は仕事を終えているだろう。

    Sarò arrivato alle cinque.
    私は5時までには到着しているだろう。

    このように、未来完了は 未来のある時点までに完了している行為 を表します。

    もう一つ例を見てみましょう。

    Quando arriverai, avrò già mangiato.
    君が到着するころには、私はすでに食べ終わっているだろう。

    ここでは

    arriverai(到着する)
    avrò mangiato(食べ終えている)

    という未来の時間関係が示されています。

    また、未来完了は 過去の出来事についての推量 を表す場合にも使われます。

    Avrà già finito.
    彼はもう終えただろう。

    Sarà arrivato.
    彼はもう到着しただろう。

    essere を助動詞として使う場合には、過去分詞が主語の 性と数に一致 します。

    Maria sarà partita.
    マリアはすでに出発しているだろう。

    I ragazzi saranno arrivati.
    少年たちは到着しているだろう。

    このように 未来完了 は、未来のある時点より前に完了する出来事や、過去の出来事についての推量を表すときに使われる時制です。


  • 15.7 遠過去

    遠過去(passato remoto) は、過去に起こった出来事を表す時制です。特に すでに完全に終わった出来事歴史的事実、物語の出来事 を述べるときに使われます。

    日常会話では、特に北イタリアでは 近過去(passato prossimo) が使われることが多く、遠過去は主に 文学作品、歴史の記述、物語 などでよく見られます。

    例を見てみましょう。

    Cristoforo Colombo scoprì l’America nel 1492.
    コロンブスは1492年にアメリカを発見した。

    Marco arrivò tardi.
    マルコは遅れて到着した。

    このように、遠過去は 過去に完全に終わった出来事 を表します。


    -are 動詞の遠過去

    例:parlare(話す)

    主語活用
    ioparlai
    tuparlasti
    lui / leiparlò
    noiparlammo
    voiparlaste
    loroparlarono

    Parlai con Marco.
    私はマルコと話した。


    -ere 動詞の遠過去

    例:credere(信じる)

    主語活用
    iocredetti / credei
    tucredesti
    lui / leicredette / credé
    noicredemmo
    voicredeste
    lorocredettero / crederono

    -ire 動詞の遠過去

    例:partire(出発する)

    主語活用
    iopartii
    tupartisti
    lui / leipartì
    noipartimmo
    voipartiste
    loropartirono

    Partii presto.
    私は早く出発した。

    このように 遠過去 は、物語や歴史の記述でよく使われる時制です。日常会話では近過去が多く使われますが、文章を読むためには理解しておくことが重要です。


  • 第16章 条件法

    16.1 条件法現在

    条件法(condizionale) は、「〜だろう」「〜したい」「〜してほしい」など、仮定、推量、丁寧な依頼 を表すときに使われる法です。条件法現在(condizionale presente)は、現在または未来に関する仮定や希望を表します。

    例えば次の文を見てみましょう。

    Vorrei un caffè.
    コーヒーをください。

    ここでは vorrei(〜したい)が条件法現在であり、丁寧な希望を表しています。

    また、次のように推量を表すこともあります。

    Marco sarebbe a casa.
    マルコは家にいるだろう。


    条件法現在の作り方

    条件法現在は、未来形と同じ語幹に 条件法の語尾 を付けて作ります。

    語尾は次の通りです。

    • ei
    • esti
    • ebbe
    • emmo
    • este
    • ebbero

    ただし、一般に覚える形は次の通りです。

    • ei
    • esti
    • ebbe
    • emmo
    • este
    • ebbero

    (※多くの文法書では -ei / -esti / -ebbe / -emmo / -este / -ebbero と説明されます。)


    例:parlare(話す)

    主語活用
    ioparlerei
    tuparleresti
    lui / leiparlerebbe
    noiparleremmo
    voiparlereste
    loroparlerebbero

    例文

    Parlerei con Marco.
    私はマルコと話すだろう。

    Parleremmo con lui.
    私たちは彼と話すだろう。


    条件法現在の主な用法

    条件法現在は次のような場合に使われます。

    丁寧な依頼

    Potresti aiutarmi?
    手伝っていただけますか。

    希望

    Vorrei andare in Italia.
    私はイタリアへ行きたい。

    推量

    Sarebbe già partito.
    彼はもう出発しただろう。

    このように 条件法現在 は、仮定や丁寧な表現を作るときに重要な役割を持つ時制です。