イタリア語の大きな特徴の一つは、主語が省略されることが多いという点です。これは、動詞の形が主語の人称や数によって変化するため、動詞だけで主語が分かることが多いからです。
例えば、動詞 parlare(話す)の現在形を見てみましょう。
parlo
parli
parla
parliamo
parlate
parlano
これらの形は、それぞれ
io parlo
tu parli
lui / lei parla
noi parliamo
voi parlate
loro parlano
に対応しています。
このように動詞の語尾によって主語が分かるため、日常のイタリア語では主語を言わないことが普通です。
Parlo italiano.
私はイタリア語を話す。
この文では io が省略されていますが、動詞 parlo の形から主語が io であることが分かります。
同様に
Studiamo molto.
私たちはよく勉強する。
この文では noi が省略されています。studiamo という形から主語が noi であることが理解できます。
このような言語は、言語学では 主語省略言語(pro-drop language)と呼ばれます。イタリア語、スペイン語、日本語などはこのタイプの言語に含まれます。
ただし、主語が常に省略されるわけではありません。次のような場合には主語を明示することがあります。
まず、主語を強調したい場合です。
Io lavoro molto.
私はよく働く。
ここでは io を入れることで、「私は」という意味が強調されています。
また、主語をはっきりさせたい場合にも主語が使われます。例えば、誰について話しているのかが文脈だけでは分かりにくい場合です。
Maria parla italiano.
マリアはイタリア語を話す。
このようにイタリア語では、文脈によって主語を省略したり、明示したりします。基本的には動詞の形から主語が分かるため、主語を省略する文が一般的ですが、必要に応じて主語を使うという特徴があります。